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すでに半年ちかく学校に行かず、家に引きこもり、登校拒否を続けている少年がいた。
その少年は、いじめを苦に学校へ行くのを恐がっていた。

家に引きこもる日が続くある日、同じ学校の友達が家に訪れてきた。
話を聞くと、いじめをしてきた人たちはみんな反省して学校で謝りたいと言っている。ということだった。

その夜、悩みに悩んだ末、少年は学校へ行くことを決意した。


朝がやってきた。
重い足どりで家をでた。

少年はマンションに住んでいて、エレベーターを使っている。
しかし少年にとってエレベーターまでがやけに遠く感じた。

ふっと、視線を感じたので辺りを見渡すと、マンションの屋上にきれいな女の人がこっちを見ていた。

その時は、『きれいな人だなぁ』としか思わなかったが、学校へ通い始めてから毎日、屋上からこっちを見ているので少年は自分に気があるのかと思い
その女の人に毎朝会えるから学校へ行くのが楽しみにもなっていた。

今朝も、いつもと同じく女の人はこっちを見ていた。

学校でも少年は気がつけば友達に自慢そうに話していた。
友達に『話しかけてみろよ!』と言われて、明日の朝話しかけることを約束した。

帰り道、自分のマンションに警察官がたくさん集まっていた。
少年が驚いて警察官に事情を聞こうとすると、警察官は察して向こうへ行ってしまった。

少年は何かあったことを一瞬で悟り、急いで家に帰り、母親に何があったのか問いただすと……母親は少し間をあけてから

『このマンションの屋上で女の人が首吊り自殺をしてたんだって』

少年の顔はみるみるうちに青ざめていった。

そう、毎朝こっちを見ていて自分に気があると思っていたその女性は、初めから死んでいた人だった。

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