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スズメバチの幼虫の話

家にはスズメバチの巣がある。
昔ながらの作りの家で、大屋根の懸崖部分に丁度、まるで飾り付けをしたかのように中央に巨大な巣。
スズメバチは毎年、少しずつ場所を変えながら元気に子育てしている。

去年もそのはずだった。
なぜか、スズメバチの数が初夏に入って激減。
子育てを放棄したらしく、ポトリ、ポトリと巣から落下してくる幼虫たち。
地上に墜落してもまだしばらくうごめいているのもいれば、墜落の衝撃でぐちゃり、と破裂しているものもあり。

さながら幼虫地獄。でかいんだよあの幼虫は。
幼虫の落ちてくるポイントが、ちょうど人間の出入りする戸の前だったりする。
しばらくは雨も降らぬのに傘を開いて家を出入りする不自由さ。
我家のスズメバチの巣は、どうやら絶滅したらしく今年はしんと静まり返っている。

スズメバチの世界に何かが起こっている。
何が起こっているのか、わからないが。

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