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香水の女

夜書くとこえーから今書く。
10年以上前の話だが未だに忘れられん。

学生で金の無かった俺は、居酒屋の2階を格安で借りて住んでいた。
ほぼ新築に近い感じで、当時流行りのロフトもついてて結構気に入っていたんだが…。

11月半ば深夜2時頃、ロフトで布団に寝っころがって漫画読んでたら、外の鉄の階段で

カン…カン…

って誰かがゆっくり上がってくる音がする。

もちろん2階には俺1人。
下の居酒屋は23時には閉まってるし、そんな時間に来るような友人もいない。

誰だ? っと思った瞬間金縛り。
寝てもいないのに金縛りにあったのはこれが最初で最後だったな。しかも目開いてる。

ロフトの電気は点いてるし、そういうのは結構慣れてるから、来るなら来いやー! ぐれーに思ってたら、なんか急に香水の甘ったるい匂いがしてきた。

んで、いつの間にか俺の頭の右横にスリムジーンズに赤い七分丈のニット着た女が正座してる…。

なぜか顔だけがぼやけていて見えない。
髪は肩ぐらいで真っ黒だったな。

さすがにヤベーと思い必死で体動かして金縛り解こうとしたら、なんとパフ?(女の子が化粧に使うあのスポンジみてーの)で俺の顔とか首とか、すげー勢いで撫で始めたんだよ…。

もう怖くて、絶叫したら金縛り解けて女も消えた。
冬なのに汗ぐっしょり。
ロフトから降りたら部屋全体が香水臭くてマジに背筋が凍った。
速攻アパート出て、その日はファミレスで一晩過ごしました。

結局あの女は何をしたかったのか未だ分からん。

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